| 原作 | アンディ・ウィアー 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(早川書房) |
| 監督 | フィル・ロード&クリス・ミラー |
| 脚本 | ドリュー・ゴダード |
| 公開 | 2026年3月20日 |
| 上映時間 | 156分 |
アカデミー賞7部門にノミネートされた「オデッセイ」の原作「火星の人」などで知られる作家アンディ・ウィアーのベストセラーSF小説を映画化。滅亡の危機に瀕した地球の運命を託された中学の科学教師が、宇宙の果てで同じ目的を持つ未知の生命体と出会い、ともに命を懸けて故郷を救うミッションに挑む姿を描く。
https://eiga.com/movie/104209/
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』視聴。めちゃくちゃ良かった。
まず、ロッキーが可愛過ぎる。吹替で見たんだけど、花江夏樹さんの声がまた絶妙で…… 異形の存在なのにどんどん愛着が湧いてしまう。
未確認生物とか異星生命体って聞くと、どうしても映画『エイリアン』みたいな未知の恐怖を連想してしまうので、ロッキーのデザインや仕草のキュートさも凄く良かった。見た目は人類と全然違うのに、気付けば「可愛いなコイツ…… 」ってなる不思議な魅力がある。
特にロッキーが「キュキュキュッ」って笑う感じ、めちゃくちゃ好き。言語も文化も違うのに、「笑ってる」ってちゃんと伝わるのが愛おしいんよな。
主人公(グレース)の宇宙船をストーカーみたいに追い掛けてくるシーンも好き。宇宙という圧倒的な孤独空間の中で、あのやり取りが妙にコミカルで癒やされる。
ロッキー自身も、仲間を失い孤独を背負っていた存在なんよな。だからこそ、同じように宇宙で孤独と戦っていた主人公へ自らコンタクトを取っていく流れが本当に良かった。あの出会いって、ただの異星人との遭遇じゃなく、孤独だった者同士の邂逅なんだよなぁ……
全体的にかなりハードSFなのに、主人公のユーモアのおかげで空気感がポップに保たれているのも良かった。ただ、その明るさの裏で時折ふっと宇宙の孤独が顔を出す。そのバランスが絶妙。
あと個人的に刺さったのが、グレースがいわゆる頭でっかちな天才学者タイプではないところ。もちろん科学者としての知識は凄いんだけど、人間臭さや柔軟さがある。だからこそ異文化交流の中で、知性だけじゃなく人間性がちゃんと武器になっていた気がする。
「グーでパンチ」も強く印象に残っている。
バディものとしてはベタなコミュニケーションなんだけど、個人的には『E.T.』の指と指が触れ合うあの有名なビジュアルを連想した。異なる存在同士が心を通わせる象徴みたいな。
ただ、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の場合、ロッキーとは環境の違いで直接触れ合うことが出来ないんよな。ハグしたくても出来ない。そのもどかしさが逆に二人の距離感を特別なものにしていた気がする。
生物としては全然違うのに、あの二人は確かに相棒だった。もはや友情を超えた絆があったと思う。理解し合うことの尊さを描いた作品としてめちゃくちゃ好き。
ヘイル・メアリー =「神頼み」
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』って、タイトルの時点でかなり皮肉だと思った。
作中で行われているのもまさに人類最後の賭け。科学者達が知性と技術を総動員してる超科学SFなのに、計画名が「神頼み」なの面白い。しかも、実際はただの奇跡待ちではなく、「誰かを信じること」で道を切り開いていく物語なのも良いんよな。
原作はもっとサイエンス寄りって感想を見掛けるので、原作読んだらまたかなり印象変わりそう。映画は主人公とロッキーの関係性や感情の流れがかなり分かりやすく描かれていて、宇宙SF友情映画として個人的にめちゃくちゃ楽しめた。限られた尺で、テンポ良くエンタメへ変換してるのかもしれない。
ただ、映画版の孤独の中で育まれるロッキーとの絆の描き方は本当に良かったので、まず映像作品としてあの感動を浴びられて満足感ある。
見終わった今となっては、2000円の価値があった。むしろ大満足。
劇場で映画を見るのと近い価格帯だと思うと悩む気持ちもあった。映画館って作品そのものだけじゃなく、音響とかスクリーンとか「体験込み」の値段だと思ってるので、もし自分にハマらない作品だった場合は「レンタルで2000円かぁ…… 」って後悔してた可能性もある。その天秤むずい。
でも『プロジェクト・ヘイル・メアリー』に関しては、上映時間2時間半超えなので、家でゆっくり見れるメリットもかなり大きかった。あと最近、劇場で見た『プラダを着た悪魔2』で隣席のマナーが悪過ぎてめちゃくちゃストレスだったので、そういう「ガチャ」を回避できる安心感もある。
そもそも自分、映画館が気軽に行ける距離にないので、「今話題になってるから見たい!」っていう熱量のまま視聴できる手段があるのは普通にありがたいんよな。
レンタル2000円で配信するの、かなり強気だな〜とは思うけど、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』みたいな今すぐ語りたくなる作品だからこそ成立してる感じもある。