MAMIYA CULTURE LOG


アニメ『バーテンダー 神のグラス』感想

1,030文字

バーテンダー・佐々倉溜は六本木で修行後に単身フランスへ渡り、ヨーロッパのカクテルコンテストにて優勝。それ以降、彼が作るカクテルは「神のグラス」と呼ばれるようになる。
パリの一流ホテルにてチーフバーテンダーを務めていた溜だったが、理由は不明ながら日本に帰国し、プライベート・バー“イーデンホール”で働き始める。バーにやってくるお客さんの様々な悩みや問題に対して、特別な一杯を提供する溜。
一方、東京に開業したホテル・カーディナルでは、オーナーの来島泰三がカウンターバーに立つバーテンダーの人選に拘り、相応しいバーテンダーが見つからずカウンターバーをオープン出来ずにいる。
泰三の孫・美和を含む営業企画部のメンバーはバーテンダー探しに奔走。佐々倉に出会い、彼こそが相応しいとスカウトするが、はぐらかされてばかり・・・。
はたして、カーディナルのカウンターバーはオープンできるのか、溜の決断とは・・・。

アニメ『バーテンダー 神のグラス』公式サイト

アマプラにて『バーテンダー 神のグラス』全12話見終わった。

酒って健康面や依存性の問題もあって、どうしてもネガティブな側面が語られがちだと思う。でも一方で、生きていたら「あの辛い時期、酒があったから何とか乗り切れたな……」と思う瞬間も確かにある。

もちろん酒そのものが問題を解決してくれる訳じゃない。だけど、どうしようもなく疲れた日に一息つかせてくれたり、誰かとの思い出に寄り添ってくれたり、自分の気持ちを整理する時間を作ってくれたりする。そういう意味では、酒もまた人生の伴走者のひとつなのかもしれない。

この作品は、カクテルやバーの知識を楽しむアニメでありながら、その一杯に込められた人の人生や想いを描く物語でもあった。だから見ていて「自分にもこういう時間あったな」と、自然と昔を振り返ってしまう。

特に第11話の加瀬さん回が良かった。

人生の節目や後悔、積み重ねてきた時間。その人だけが抱えている感情に、一杯の酒がそっと寄り添う描写がとても丁寧で、不思議と心を動かされた。派手な展開ではないのに、見終わった後もしばらく余韻が残る回だった。

毎話大きな事件が起きる訳ではない。それでも、疲れた日の夜にふらっと立ち寄るバーみたいな心地良さがあった。

見終わった後は少しだけ優しい気持ちになれる。そんな良いアニメだった。

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