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『新機動戦記ガンダムW』1~7話 感想

5,955文字

A.C.(アフターコロニー)195年――宇宙コロニーは、武力によって統治下に治めようする地球圏統一連合に対し、MSガンダムの降下作戦「オペレーション・メテオ」を決行する。ガンダムパイロットのひとり、ヒイロ・ユイの姿を目撃してしまったことから、リリーナ・ドーリアンは、運命の渦に巻き込まれることとなる。ヒイロと同じ目的である4機のガンダムパイロット――デュオ・マックスウェル、トロワ・バートン、カトル・ラバーバ・ウィナー、張五飛は、それぞれ引き寄せられるかのように接触する中、秘密結社OZの総帥トレーズ・クシュリナーダの罠によって、連合の和平派を一掃してしまう。この事件をきっかけにOZは、歴史の表舞台へと躍り出るのであった。

GUNDAM Official

『ガンダムW』1話視聴。

有名な「お前を〇す」のシーンって1話目だったんだ……。

ネットミームとして何度も見掛けていたけど、実際に本編で見ると想像以上に衝撃的だった。招待状を破く→涙を拭く→去り際に「お前を〇す」の流れ、冷静に考えて意味が分からな過ぎる。シリアスな場面のはずなのにシュール過ぎて笑ってしまった。

なんなんだこの人……。

しかも1話はそこだけじゃない。

浜辺に打ち上げられたヒイロを見つけたリリーナが、善意で救急車を呼んでくれるのに、駆け付けた救急隊員を殴る蹴るして救急車を奪って走り去るのも大概である。

普通なら「ありがとう」で終わる場面なのに、ヒイロだけ選択肢がおかしい。今のところ主人公というより、危険人物としての印象が強い。

でも不思議と嫌いにはなれない。むしろ「次は何をやらかすんだ?」という期待感がある。

1話だけでここまでツッコミどころとインパクトを詰め込まれるとは思わなかった。

これからどうなっちまうんだ、この子たち……。

『ガンダムW』2話視聴。

ヒイロ、有能過ぎる。

フェンシング、馬術、ハッキング、潜入工作、挙げ句の果てにはトラックの裏側(タイヤの間)に張り付いて移動までこなす。まだ2話なのに「何でもできる人」という認識になってきた。

その一方で行動がいちいち極端なので、有能さと危険人物っぷりが同居しているのが面白い。

そしてリリーナさんも大概である。

1話で「お前を〇す」と殺害予告された相手に対して、「ヒイロは星の王子さま……?」という独自考察を展開。さらに自分の誕生日会を抜け出し、好奇心だけでヒイロを追跡し始める。

普通なら怖がるところだろ!

でも、この行動力と好奇心の強さがいかにもお嬢様育ちというか、世間知らずというか。ヒイロとは別方向にぶっ飛んでいて見ていて面白い。

あと、1話で盗んだ救急車が再登場したのも笑った。

あの場限りのネタかと思ったら、まさか目撃情報からヒイロの居場所を特定する伏線として機能するとは。真面目な話をしているのに「そういえば救急車盗んでたな……」という事実がノイズになる。

MSだと、鎌を持った黒い機体がめちゃくちゃ格好良かった。完全に死神モチーフじゃん。子供の頃に見ていたら確実に一番好きになっていたタイプのデザインをしている。

そしてガンダムの自爆装置。

もっとこう、厳重な認証とか複雑な解除手順とかあるのかと思ったら、リセットボタンを押して終了。

なんというか、たまごっちに爪楊枝を刺して初期化する工程を思い出してしまった。ガンダムの命運を左右する装置の扱いとしては雑過ぎる。

個人的に今回一番面白かったのは、腕を負傷したヒイロにリリーナが布を巻いてあげる場面。

状況だけ切り取ると完全にラブコメとか少女漫画のイベントなのに、流れているBGMが妙に不穏で、ヒイロも全然デレない。画面と音楽が噛み合っていないせいで妙なシュールさがあった。

そしてラスト。

水面にぷかぷか浮いているヒイロ。

真面目な引きのはずなのに絵面が面白過ぎる。

今のところ政治パートは「オペレーション・メテオで送り込まれた5機のガンダムを巡る話なんだな」くらいのふんわり理解。隕石と思われていた5つの光が、ヒイロたち少年兵とガンダムだった、という認識で見ている。

正直まだ世界情勢よりも、ヒイロ単独行動パートのインパクトが強過ぎる。

2話時点で既に「次は何をやらかすんだこの主人公」と思いながら見ているので、完全に術中にハマっている気がする。

今後どうなっちまうんだ。


『ガンダムW』3話視聴。

ヒイロという男、本当に人間なのか?

捕獲されて負傷した腕からかなり出血しているのに、意識的に脈拍や脳波をコントロールして死んだふり。さらに高所からパラシュート無しで降下して、骨折はするものの自力で応急処置。

いや、強すぎる。

もう「訓練された少年兵」では説明がつかない領域に片足突っ込んでいる気がする。遺伝子操作とか強化人間とか、そういう類の存在なんじゃないかと疑い始めている。

今回一番笑ったのはここ。

「敵など来ん!」

「敵は来る」

「この警備で攻める馬鹿はおらん」

「馬鹿は来る!」

本当に来る。

しかもMS一機で。

この流れ、完全にギャグ漫画のテンポである。

特に「馬鹿は来る!」の説得力が凄い。視聴者側も既に「来るな……」と思っているし、案の定来る。

そして案の定めちゃくちゃになる。面白すぎる。

戦闘も良かった。

個人的に弾切れからの肉弾戦展開が好きなので、MS同士が武器を失って殴り合う構図はテンションが上がった。

ビームやミサイルも格好良いけど、最後は腕力で決着をつけようとする泥臭さが好きなんだよなぁ。

あと金髪の少年。

今のところ作戦立案や情報分析を担当している感じで、『進撃の巨人』でいうアルミン的なポジションなのかなと思いながら見ている。

敵パイロットの戦い方から性格や人間性を推測する場面も印象的だった。

ただ強い弱いではなく、「どう戦うか」で人物像が見えてくるのは面白い。

戦闘シーンが単なるロボットバトルではなく、パイロット同士の読み合いとして描かれている感じがあって好き。

そして今回でガンダム5機が全て登場。ようやく主要メンバーが揃った感がある。

鎌持ちの死神ガンダムも相変わらず格好良いし、みんなそれぞれキャラが濃そうで楽しみ。

一方で、海底に沈んだガンダムはしっかり回収されていた。

「まぁそうなるよな」と思いつつも、ここからどう奪還するのか気になる。

政治パートはまだふんわり理解だけど、ヒイロの無茶苦茶な行動を追いかけているだけでも十分面白い。

3話時点の感想。ヒイロの生態が一番謎。

本当に人間なのか、この男。


『ガンダムW』4話視聴。

ノインさん登場。

「ゼクス…… 1年と22日ぶりですね」

この時点でただならぬ関係性を感じる。

ゼクスに対してかなり大きな感情を抱いていそうな強め女性キャラで良い。しかも感情論だけではなく、自分なりの信念を持っているのが印象的だった。

ゼクス「訓練生に入れ込むと別れが辛いぞ」

ノイン「私の教えた兵士は決して死にはしません」

「命を懸ける戦争はミスの生産でしかない」

理想論なのかもしれない。でも人が死ぬことを当然としない姿勢は、この世界ではむしろ貴重なんだろうなと思う。

そんなノインさんに対して張五飛。

ポチッ

ドカン!!!

このテンポよ。

文字だけ見ると完全に2コマ漫画なのに、やっていることは笑えない。むしろかなりエグい。ガンダムパイロット達が背負っているものの重さを改めて感じた。

その後のノインとのやり取りも印象的だった。

「子供だから」
「女だから」

そういう先入観が命取りになる世界。

張五飛は極端な物言いをするけど、彼なりの戦争観と美学を持っているのが見えてきた。

「弱い者と女は殺さない」

という言葉。

一見すると騎士道精神みたいだけど、その裏には強さへの異常な執着も感じる。敵が弱いと虚しくなるという終盤の叫びも含めて、かなり面倒くさい男である。

でも嫌いじゃない。むしろこういう面倒くさい奴ほど後々好きになる予感がする。

一方で、ヒイロとデュオのコンビも面白い。

デュオ「無口で無愛想で無鉄砲で……俺がお前だったらその暗い性格呪ってとっくの昔に人間辞めてるぜ!」

ヒイロ「少し黙っててくれ」

温度差で笑った。

デュオは死神みたいなガンダムに乗っているのに、本人はかなり社交的で面倒見が良い。今のところ5人の中で一番まともまである。というかヒイロの相棒ポジションとしては苦労人すぎる。

そしてヒイロ。

勝手にデュオ機のパーツを使い、一晩でウイングガンダムを修理。

単独で任務を遂行。

そして満足げな笑顔。

優秀なのは間違いないんだけど、人の命も自分の命も軽く扱いすぎていて怖い。まだ少年のはずなのに、時々人生を何周もしてきたような達観した雰囲気を見せる。

だからこそ過去が気になる。何を経験したらこんな人間になるんだ。

その一方で、トロワとカトル。

バイオリンとフルート。

優雅すぎる。同じガンダムパイロットとは思えない。絶対良い匂いする。終始殺伐としている他メンバーとの温度差で笑ってしまった。

4話終了時点で、

ヒイロ&デュオ

トロワ&カトル

張五飛

という感じで、まだ5人が別々に動いている。全員集合したら絶対面白いことになると思うんだけど、一体いつになるんだろう。

今から楽しみで仕方ない。


『ガンダムW』5話視聴。

レディ・アンさんの肩、強すぎる。

爆弾を担ぐ。

走る。

投げる。

爆発する。

文章にするとあまりにも豪快で笑ってしまった。やっていることは完全にテロ行為なのに、勢いがあり過ぎて妙な迫力がある。この作品、真面目に見ているはずなのに時々とんでもない絵面をぶち込んでくるから油断できない。

そして今回、ヒイロの過去も少し見えてきた。

勝手に「遺伝子操作された強化人間なのでは?」とか疑っていたけど、どうやらそういう話ではなさそう。

超人的な身体能力や精神力は、生まれつきというより物心ついた頃から徹底した英才教育と訓練を受け続けた結果らしい。

いや、それはそれで怖い。

脈拍や呼吸を自在にコントロールしたり、瀕死の状態でも任務を優先したり、人間離れした行動の数々に納得はした。納得はしたけど、「そんな子供を育てる環境なんなんだよ」という新たな疑問も生まれた。

今までのヒイロは無口で無表情な危険人物という印象が強かったけど、少しずつ「そうならざるを得なかった少年」として見えてきた気がする。

優秀なのは間違いない。

でも人との距離感や命の価値観がどこか壊れているのも、そういう人生を歩んできたからなんだろうな。

相変わらず政治パートはふんわり理解だけど、各キャラクターの背景が少しずつ見え始めて面白くなってきた。

それにしても5話時点の感想。

ヒイロは強化人間ではなかった。ただし育成方法は十分に怖い。

そしてレディ・アンさんの肩はやっぱり強い。


『ガンダムW』6話視聴。

1話からずっと「お前を〇す」と言い続けていたヒイロ。

任務のためなら自分の命すら平然と投げ出すし、人間関係にも興味がなさそうだし、正直ここまで感情より任務を優先する機械みたいな少年だと思っていた。

でも今回、知り過ぎてしまったリリーナを消すべきだと理解しながらも、結局助けてしまったことに葛藤している様子が描かれていて少し驚いた。

人間の心、あったんだ……。

いや、最初からあったんだろうけど、今まで見えていなかっただけなのかもしれない。

むしろヒイロ自身が、任務を優先すべき自分と、リリーナを放っておけない自分との間で戸惑っているように見えた。あれだけ徹底して感情を切り捨てて生きてきた少年が、たった一人の少女の存在によって少しずつ揺らぎ始めている。そう考えると、1話の「お前を〇す」から続く2人の関係もだいぶ味わい深くなってきた。

そしてリリーナ。今回でさらに謎が増えた。

ドーリアン家の実の娘ではなく、どうやら平和主義国家サンクキングダムに繋がる血筋らしい。しかもゼクスの肉親……?

今まで「行動力のあるお嬢様」という印象で見ていたけど、急に物語の中心人物っぽくなってきた。

というか、この子もなかなか大物である。ヒイロを追いかけ続けるし、本人も妙に肝が据わっている。ヒイロの異常性ばかり目立っていたけど、よく考えたらリリーナも相当変わった子なのでは……?

6話時点での印象は、ヒイロが少しずつ「任務を遂行する兵士」から「一人の少年」になり始めていること。そしてリリーナは、まだまだ秘密だらけ。

ガンダムパイロット達の過去も気になるけど、リリーナ周りの出生の話もかなり面白くなってきた。

今のところ、この作品で一番先が読めないのはリリーナかもしれない。


『ガンダムW』7話視聴。

政治パートの理解度はまだふんわり。今のところの認識だと、

連合軍がいる

その内部にOZ(オズ)がいる

OZは「スペシャルズ(Specials)」由来のエリート部隊

同じ連合側でも色々な派閥や思惑がある

……という感じ。

正直まだ完全には把握できていないけど、「地球側VS宇宙側」みたいな単純な構図ではなく、内部でも権力争いが起きているのは何となく分かってきた。

今回見ていて感じたのは、OZの連中かなり策士だなということ。結果だけ見ると、OZと対立する平和派の連合軍首脳が排除され、その責任をガンダム側に押し付ける形になっている。

ヒイロ達からすれば戦っていただけなのに、気付けば誰かのシナリオ通りに利用されていた感じ。めちゃくちゃ嫌なハメられ方である。

そして何より。

ついにガンダムパイロット5人が顔を合わせた。

ここまで長かった。

ヒイロ、デュオ、トロワ、カトル、五飛

それぞれ別の場所で好き勝手暴れていた連中がようやく同じ画面に揃っただけでテンションが上がる。

ただし感動の初対面とかではなく、状況は最悪。むしろ全員まとめて面倒事に巻き込まれている。せっかく集合したのに「よし、ここからチーム結成だ!」みたいな雰囲気では全くないのがガンダムWらしい。

というかこの5人、協調性がありそうなのデュオくらいしかいない。

ヒイロは単独行動大好き。

トロワは無口。

カトルは比較的穏やかだけど独自の信念持ち。

五飛は五飛。

まとまる未来が見えない。

それでも初めて5人が同じ場にいる光景はやっぱり熱かった。

7話はストーリーが大きく動いた回というより、「ああ、この世界って思った以上に政治の話なんだな」と実感した回だった気がする。

ガンダムで暴れている少年兵たちより、大人たちの方がよっぽど計算高くて厄介かもしれない。

せっかく5人揃ったのに、いきなり大人の事情に振り回されていて大変やで。

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